去り際のひとこと
野茂英雄投手が、引退を宣言したと聞いた。
大リーグには特に詳しくもなく、夫が点けるテレビが目の端に入る、その程度の関心しかもっていなかった。なので、私がこれを聞いたのは別のニュース番組の一コーナーでのことなのだが、普段寡黙な印象の強い野茂が、こう言ったという。
「引退する時、悔いの無い野球人生だったという人もいるが、僕の場合は悔いが残る。
まだまだやりたい気持ちが強いが、自分の気持ちだけで中途半端にしていても周りに迷惑をかけるだけだと思った」
日本人にして初のメジャーリーガー、いわばパイオニアの彼がこんなに素直にココロの中を明かすのを少なくとも私は初めて聞いた。野茂が今までに成し遂げた事を、私はよく知らない。ただ、彼がメジャーを目指したのは、単なる野心だけでは無いのではないかとぼんやり思った。
最後の最後で、彼はどこの空の下で生きているかも知らない平凡な女に、素晴らしい球を投げてくれたように思う。敬礼。
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