パフィーの新曲はアナクロ・キャンペーンソング

正直、印象が薄かった。

何がと言えば、パフィーの、某化粧品会社の口紅のキャンペーンソングの事である。CGの映像のみやたらドラマチックで、曲に全く関心もっていなかった。

パフィーのふたりは、相変わらずキレイだったのに。

最近、やっと知ったのだがこのキャンペーンソング、「作詞・作曲/吉井和哉」だったのだ。タイトルは「くちびるモーション」。

あの人からメール

ドキドキするテイル

女の子はしょっちゅう

獣のようにネイル

ハートにしのばせる

今日はちょっとキメたい

抵抗なくなった ねえもう火がついた

美人じゃん oh yeah (oh yeah) all right 

ニュールージュレヴォリューション

逢いたくなるモーション

I know こんな夜は 月キレイだ

今夜だけのメニュー

あなただけコース

なくてもいいルール

ピンクと赤のハレーション

迷い込んでいらっしゃい

抵抗なくなった もうろう恋に堕ちた

美人じゃん oh yeah (oh yeah) all right 

ニュールージュレヴォリューション

超猫足モーション

そっと言われたいな『君キレイだ』

どちらかって言うとOK

よりかかってみちゃおうnight

ここでちょっとロックモーション

更に注文するものない?

あぁもう あぁもう気付いていた

あぁもう あぁもう暑いね yeahyeah 

ここでちょっとロックモーション

あぁもう あぁもう止まらないんだ

あなたと愛の船 今漕いで yeah

添うね 添うね So yes

Just sweet black

結構傷ついて ちょっと強くなった

美人じゃん oh yeah (oh yeah) all right 

誘惑のルネッサンス

ねぇくちびるモーション

どぉ?ときめいた

西洋デコレーション東洋レヴォリューション

美人じゃん oh yeah (oh yeah) all right 

ニュールージュレヴォリューション

速攻ハートがキラ

ずっと見つめていたい

見つめていたい

言われたいな 言われたいな

「君キレイだ」

所謂「小悪魔系」を狙ったのだろうが、単に男性の妄想の中にありがちな女性像がこの歌詞では描かれているような気がしてならない。それは、パフィーのマス・イメージとは異なっている。パフィーは、「独立した大人の女の子」。チャーミングだけど、それって男のためにそうしてるわけじゃない。それがパフィーのイメージだったはずだ。

これまで奥田民生、井上陽水、草野正宗らがパフィーの曲を手がけてきたが、彼らの世界観が、パフィーをただの美人二人組ではなく、女の子が「カワイイ」と思う女性像を作り上げてきた。

私は思った。『これでは、この歌詞じゃ、パフィーのイメージ、ぶち壊しじゃん?』

とある雑誌のインタヴューで、吉井氏は「ぐっとくる女の子のしぐさは、自分のためにご飯を作っている後ろ姿」と言っていたが(同じ質問に草野正宗は「髪をまとめるしぐさ」と答えていたように記憶している)、この答えはまごうかたなき「女性を所有・支配したい」、前時代的な男性の答えだと思う。

それが、この歌詞には表出してしまっている。男性に分かり易い、魅惑的な女性像。それがこの歌詞に描かれている。例えば「抵抗なくなった」ということは、それまで性的関係に抵抗を感じていたのがなくなったと言うことかと思われる。an・anが「セックスできれいになる」特集を何度組んでいるか、数え切れない程だというのに。(同誌では女性の自慰の仕方まで説明されていた。感じる女になるためにだそうだ)

もはや女性は男性によって「開拓」される存在ではないというのに「抵抗なくなった」。これでは時代遅れもはなはだしい。

吉井和哉は「自分の歌はそのまま自分の歴史だ」と言っていたが、私はこの歌詞に、彼の「老い」と「見果てぬ夢」しかみえなかった。

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コレを見ても分かるように、メイクはまるで’80年代のデヴィット・ボウイのようである。とにかく、私はこの写真をみてさらに吉井のアナクロニックなセンスを感じずにはいられなかった。

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